アジングパックロッド

パックロッドが流行しているようでメーカーも魚種専用のマルチピースロッドを販売するようになってきました。
性能が同じならコンパクトな方が優れていると思いますし、何よりガジェット感が増して玩具みたいに必要なくても欲しくなってしまいます。

しかし、低価格の入門用ロッドが多く、高性能なライトゲームパックロッドはなかなかありません。
アジングパックロッド
なければ作ろう!
旅行先でアジングを主体としたライトゲームフィッシングができる便利な4ピースパックロッドを作ってみました。


ロッドコンセプト


初めてのパックロッドビルディング、自分の釣りに合う便利で使いやすいものを作りたいと思ったので次のような方向性でロッドビルディングしてみました。
・仕舞サイズ52センチメートル以下
・アジングできる感度の確保
・トラウトフィッシングに使えること
・PEラインの使用も考慮

パックロッドの仕舞サイズ

52センチメートル以下というのは、今後に作成予定のロッドと購入予定のロッドケースを考えてのこと。
60センチメートル以下なら、飛行機に搭乗する際や郵送するときにも良いサイズ。

アジングできる感度とトラウトフィッシングの両立

トラウトロッドはバーブレスフックでもバラさないようにバットやベリーが柔らかいので、トラウトロッドブランクではアジングロッドのような感度を得にくいと思います。
トラウトロッドブランクでもアジングができるように、チタンティップと宵姫天的グリップ構造で感度を増幅したい。

PEライン対応

ライトエギングにアジングロッドやメバリングロッドが使いたいけど、トルザイトガイドだとPEラインの糸鳴りが不快に感じます。
エステルラインで他の釣りをしても良いけど抜き上げが少し不安なので、オードラゴン等の高比重PEラインを使ってみたい。

普通のアジングロッドは必要なだけ持っているので、いろんな釣りに使える間を埋めるようなロッドが欲しくなりました。
流用しやすいバーサタイルロッドは何でもできる気になるけど、実際使うとイマイチになりやすいのが怖いところ。


グリップデザイン


トラウトロッドのウッドグリップはワンハンドキャスト用のグリップデザインとして理想的と感じたので、カーボンパイプで真似してみました。
DPSスケルトン

DPSリールシートにコルクグリップを付けたような感じで見た目は簡単そうですが、かなりの時間と労力が掛かってしまった。
シンプルなものほど細かい作りが出来栄えの差に繋がり、手抜きを誤魔化せないものですね。

フード交換式グリップ

何度も作ってきたカーボンパイプのスケルトンリールシートを進化させ、ダブルスクリューにしてフードナットごとグリップが取れるようにしています。
グリップ交換式
コルクグリップでも簡単に交換できるので、コルクグリップが痛むことを心配する必要がなくなります。
詳しくは、グリップ交換式リールシートに書いています。

ワインディングチェック

このロッドはワインディングチェックを一切使っていません。
軽量化とコストダウンをするなら、高価で重いアルミ製ワインディングチェックを減らすのが手っ取り早い。

前回作成したロッドはワインディングチェックを数え切れないほど使用していたのですが、今回はワインディングチェックレスでどれだけ見れるロッドができるか挑戦してみました。
普通に作るときは、ワインディングチェックを適度に組み込んだほうが質感が増し色でメリハリが付けやすくカッコよいです。

コルクグリップ

コルクの間にゴムコルクと薄いトリムを挟んで、フライロッドの雰囲気を醸し出すようにしてみました。
コルクの端にもゴムコルクを入れることで、耐久性が増しロッドエンドを地面につけることができる。
コルクグリップ
トラウトロッドやフライロッドのロッドビルダーの方々は、本当に美しく機能的なデザインのロッドを作られていて見るだけで良い勉強になります。
エンドクリップがないと変だとか、アジングロッドの形はコレとか決めつけることはロッドビルディングの可能性を否定してしまうと考えさせられてしまった。


ブランクとチタンティップ


ワンピースのブランクを切断してマルチピースロッドを作成しようと思いましたが、アジングロッドのように細いものは♯1(穂先)と♯2を継ぐフェルールが細くなってしまう。

初めてのマルチピースロッドなので、今回は市販されているパックロッドブランクを購入しました。

4ピースブランク

ナチュラルトラウト用のマタギ4ピースブランクT-Russell Upstream Trout 4 section blankは、先端径1.3ミリと非常に細いチューブラーティップなので切断してもチタンティップを継ぐことができると期待して購入。
他に先端が細いマルチピースブランクを見つけることができませんでした。
ティップのピースだけ別で売ってくれたら、カーボンソリッド仕様やチューブラー仕様を別に作って色々楽しめそう。
印籠継
印籠継部分はブランクピース間が1.5センチメートルと長かったのでフェルールを削って8ミリメートルに再調整し、フェルールの長さも切断して仕舞寸法をマイナス約1センチメートルにしました。

継ぎ目のブランクのスレッド巻きは最低限の割れ防止程度にしたつもり。

チタンティップ

イシグロ2段テーパーチタンティップを削り込みオリジナルテーパーに変更。
ブランクがマグナムクラフトサクラマス8320よりも柔らかいので、チタンティップの不要部分を切断したりして軽量化もしています。
チタンティップ
上のマタギブランクはマルチピースで長さを合わせて切断すると先端外径が2ミリ弱と太いので、太さ1.5ミリのチタンティップしか合いません。



ガイドセッティング


PEラインを使う予定があるので、いつものチタントルザイトATガイドではなく糸絡みを防止できるKRコンセプトにしました。
また、ガイドリングはチタンフレームのSic-Sで糸鳴りも軽減してみます。

KRコンセプト

PEラインを使うことから富士工業ガイドセッティングのメバリングロッド用をベースとして、バット側から、
T-KLSG16H、T-KLSG8H、 T-KLSG6M、T-KLSG5.5L、T-KTSG3.5✕3、T-LGST4-0.8
の8ガイド構成でガイドセッティング。

少しでもファーストテーパー寄りにするため、ティップのガイド数を減らしてトラウトロッドのように均等なガイド配置にしてみました。
KRコンセプト
ロッドが短い分だけガイド間を割合(0.9倍等)で調整して、1000番リールから伸びるラインがスムーズにバットガイドリングのロッド側を通るように配置しています。

マルチピースロッドはフェルールの先端とガイド位置が重なるほうが強度等で良いけど、ライン角度とガイド数の兼ね合いがあり調整が難しい。


トップガイド

トップガイドをSicにする場合、旧型でリングが太いSic-Jしか販売されていないのでトップガイドだけ一回り大きなガイドサイズにして、ガイドの高さをなるべく合わせています。

Sicトップガイドはトルザイトリングと違って種類が少ないので、組み合わせを工夫しないとリング直径や高さが合いません。


ガイドの軽量化

ガイドフットは切断し削り込んでいます。
KLガイドはガイドフッドが厚くて長いので、フットの厚みも薄くすればかなり軽くなります。
ガイド軽量化
パックロッドなので耐久性を重視してエポキシコーティングを分厚くしたのですが、KLガイドはフットが太過ぎてエポキシコーティングがキレイにできませんでした。
細いブランクにKLガイドを付けるときは、ガイドフットはかなり削り込んだ方がコーティングが滑らかになりやすいように感じます。


ロッドスペック


長さ        159センチメートル
仕舞寸法 43センチメートル
重さ         45グラム
5フィート2インチで重さ50グラムを切っており、パックロッドにしては軽く作ることができました。
チタンティップなのでパックロッドにありがちなティップ折れもしにくいでしょうし、気軽にリュックに押し込んでバイクとかで釣りに行けそうです。
軽いマルチピースロッド

ライトエギングや表層のアジングなら問題ないと思うけど、バット部分が弱いので水深があるポイントで掛けるアジングができるか⁉そこが一番心配なところ。

(追記)
別で書いていますが、トラウトロッドなのでバットが弱すぎて私のアジングには合いませんでした。
1g未満を使用した表層のアジングはしやすいですが、深場ではロッドが完全に負けてしまう感じ。

他にマグナムクラフトAJX5917をパックロッド化してアジングに使用しています。

ロッドビルディングの作り方記事は、
ロッドビルディング、ロッドビルドでオリジナルロッドを作る方法
https://ajinglife.blogspot.com/2018/06/blog-post.html
アジング一年生re
にまとめていますので、興味のある方は是非!

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