フェルールの継ぎの詰めが甘いし、シャローのアジングには十分な性能だけどトラウトロッドブランクだから柔らかすぎてディーブには対応しきれない。
アジングロッドメーカーの34も高価なパックロッドアジングを販売するそうで楽しみですが、現在、市販されているモバイルロッドは性能面で物足りないので、2ピース化したマグナムクラフトAJX5917ブランクの試作三号機を更に切り刻みチタンティップマルチピースアジングロッドを作ってみました。
モバイルロッドでも高感度を目指す
販売されているパックロッドやモバイルロッドは便利さを追求していて、釣りを始めたばかりの方向けの安く買いやすいロッドがほとんど。
しかし、欲しいのはそんな中途半端なものじゃない、こだわりを持った妥協なきパックロッドが欲しい。
少しばかりロッドビルディングしてきた経験を活かして、モバイルでもワンピースロッドに負けないチタンティップアジングパックロッドを自作しました。
先に書いておきますが、本気で高性能なパックロッドを作るとなるとワンピースロッドより値段が高くなり手間も掛かりますので、「お金はいくらかかっても良いので良いパックロッドがほしい。」と思っている方にしかオススメしません。
市販パックロッドやマルチピースブランクのデメリット
市販パックロッドに高性能なものが非常に少ないのは先に書いたとおりですが、ブランクメーカーパックロッドブランクも含めて継ぎが甘いものが多く微妙にガタつくし、フェルールの接着側が不良なのもあるので手に負えない。フェルールを作り直そうにもフェルールを前から差しているのか後ろから差しているか不明だし、使用している接着剤も分からない。
メーカー製ロッドの継ぎ目は、前(細い方)から接着剤とともに押し込んでフェルールを接着しているのがガタツキ等の原因と思う。
手間を減らすことでコスト増を防ぎ、安く販売するため仕方ないとは思います。
なぜ4ピース化をするのか
コンパクトなものが好きで最高のパックロッドが欲しいのもありますが、このブログに『ロッド 4ピース化』というキーワードで見に来られている方が結構いるようで、その期待に応えたいから。確かに、ブログやサイトでロッドのマルチピース化の方法を詳しく書いているものはほとんどないように感じます。
パックロッドの作成
ここまで見られた方は、パックロッドを作るのに理由はいらない、釣るためにパックロッドがいるのではなく、ただ高性能なパックロッドが欲しいからロッドビルドする、と覚悟ができた方と見受けられます。
最後に一つだけ、ロッドを切ったら後戻りはできません。
後退のネジをはずしてある方だけが先に進んでください。
ベースロッド
マルチピース化するベースのロッドは、以前自作したチタンティップアジングロッド試作参号機。長さは5フィート8インチで、チタンティップは16.5センチメートルで作成内容は下記のリンクのとおり。
チタンティップのアジングロッドビルドでは定番品のAJX5917マグナムクラフトブランクを使用しています。
重さは約43グラムで、ツーピースロッドにしては軽い方だと思います。
仕舞寸法
完成形は下の写真で、仕舞寸法となる各ピースの長さは約47センチメートル。ティップピースは少し短く、グリップピースは他のピースの保護のため少し長めにしています。
仕舞寸法50センチメートル以下だと、ちょっとしたリュックサックにも入るので電車釣行や自転車釣行にも良さそう。
ブランクの内径と外径
リンクを貼った通りにAJX5917でロッドを作成したときの各ピースの継ぎ目の内径と外径を載せておきます。マルチピースロッドのフェルール
パックロッドを作るに当たって一番大変なのがフェルールの作成です。
市販ブランクにはアジングに使えそうな高性能なパックロッドブランクは無さそうですので、切ったブランクに合うようにフェルールを作るしかありません。
上の2本が4♯に接着するフェルールで、下のが2♯に接着するカーボンソリッドフェルールです。
アジングロッドのように細いロッドだと、ブランクから飛び出すフェルール部分は5.5センチメートルくらいで十分。
市販ロッドも太いものほど長く、細ければ短くなっています。
フェルールの材質、種類
バッド側のフェルールは、他のブランクを切ってチューブラーブランクを重ねれば好きな硬さに調整できます。問題となるのが1♯のティップピースを繋ぐためのフェルールで、今回の場合は外径2ミリ以下のフェルールが必要なのでチューブラーでは重ねられず柔らかくなりすぎて厳しい。
よって、複数のソリッドカーボンを購入して比較しベンディングカーブが滑らかになるように調整してフェルールを作成しました。
手元の3種類の中では硬い方から、マグナムクラフト30トン、ジャストエースは中間、イシグロでフェルール用として販売しているものの順で、ソリッドカーボンの切断位置や削り方で差が出ると思うので、ここはまだまだ研究していないと分からない。
今回はブランクがAJX5917の40トンカーボンなので、マグナムクラフトソリッドカーボンを使って少し柔らかめだけど納得できるペンディングカーブとなりました。
全てを自作した場合はフェルールを抜くのも簡単なので、気に入らなければ入れ替えれば良いだけです。
一般的に入手できるソリッドカーボンで1番硬そうなのは、サノファクトリー40トンカーボンソリッドだと思いますが、継ぎ目が硬くなるとその前後の差し込み部分はブランクと合わさって更に硬くなるのでフェルールの硬さの調整が難しい。
フェルールの作成
フェルール作成のコツは、テーパーの合うブランクを買ってきて使う
何回も作り直して良いのができるまで根気よく
のどちらかだと考えています。
市販ワンピースロッドのツーピース化とかもしていて、何個フェルールを作ったか分からないけど、なかなか一発で満足するのはできません。
長めに作ってからテーパー調整しながら短くしたほうが失敗が減るし、作りやすい。
フェルールが面で均一に接触していると、抜き差ししたときの抵抗(感触?)が全く違うので、成功しているときはすぐに分かると思います。
最低限、ロッドを振ったときにブランクの横に耳を近づけて音が鳴らないのを何度も確認したほうが良いです。
市販ロッドは10ミリから15ミリくらいのようですが、フェルールが露出する隙間が狭いほどペンディングカーブがキレイになり性能向上が図れるはずです。
ロッドビルド、パックロッドの完成
フェルールさえ完成すれば、パックロッド化はほとんど終わりです。
難しい作業ではなく、時間と手間を掛ければ誰にでもガタツキや異音なくできると思います。
フェルールの作成ができるようになると、グリップだけの交換は自由にできますし市販ロッドのティップピースに組み合わせるバット部を自作して楽しむこともできるし、テーパーが同じブランクが手に入るならピースごとの入れ替えでチタンティップを組み替えてみたりと、この組み換え遊びは次のロッドでやっています。
ロッドの重量は45グラムで、2ピースのときと比べて2グラムしか増えていません。
振った感じも悪くないので、これから使っていくのが楽しみなロッドになりました。
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