スピニングリールのスプールに下巻きをしてラインの巻き換えを

エステルラインや極細PEラインを使う時は、スピニングリールのスプールに適切な量の下巻き糸を巻かないと飛距離が出なかったりライントラブルを起こしやすかったりしてリール本来の性能を出せません。
特に極細エステルラインを長さ100メートルずつ使うならば、ダイワやシマノの最小スプールでも下巻きが絶対に必要となります。

ラインを購入した店舗で巻いてもらっている方もいると思いますが、自分で下巻きをした方がテーパー等の細かい調整ができます。



ダイワスプールとシマノスプールの違い


スプールやカタログ等を見るとリールの番手によって適切な糸量が記載されています。
しかし、これらのライン量は目安であって必ずしもその記載分量のラインが巻けるわけではありません。

例えばダイワの旧2004スプールはPE0.4号が120メートルと書かれていてもPE0.4号が150メートル巻けますし、シマノのC2000SスプールはPE0.6号が150メートルと書かれているのにラインが余ることが多い。
カタログ数値を基準にして号数計算して巻く方法を推奨している方も居ますが、実際に釣りをしているならばありえない方法だと思います。

ラインの太さもメーカーで微妙に異なりスプールに巻ける量は目安にしか過ぎないので、一度メインラインをスプールに巻いて必要な下糸量を確認するべき。
また、リール購入時もカタログ数値だけを参考にせず、実際に釣りをしている方やラインを巻いた結果が書かれているブログを見て買わないと後悔する可能性があるのでご注意を!

ダイワスプールのラインマーク

ダイワスピニングリールのスプールには、エッジの内側にこの部分までラインを巻いて良いと分かるように突起がついています。
ダイワリールのライン量
ラインを巻いたときに前側が太くなるようにスプールに少しテーパーが付いているで、横から見てその突起をラインの盛り上がった部分が超えないように。

参考までに上のラインは、シマノのPEラインピットブル4の0.4号150メートルで、ダイワのスピニングリール2004には少し足りない程度になります。

シマノスプールの巻き量

シマノスピニングリールのスプールは、スプールエッジの内側の切れ目(色が違う物が多い)までラインを巻くようになっています。
シマノリールのライン量
スプールエッジにラインが掛かっているとキャストの際にスプールのラインまで巻き込んで放出し絡まりやすいので、少な目に巻くのが良さそう。
シマノのスピニングリールはラインを巻いたときに平行になります。
シマノスピニングリール糸巻き量
シマノのスピニングリールC2000SにPE0.4号150メートル(ゴーセンCAST-8)を巻くと、上の写真のように適切な巻き量になります。

先程のダイワセルテートと比較してほぼ同じリールのスペックでもラインやリールメーカー等により差があるから、下巻き糸で調整する必要があります。

下巻きラインの種類と太さ


細いラインや短いラインをスプールに巻くときには、使用するメインラインの下に要らないラインを下巻きしてかさ上げします。

メインラインの長さをアジングなら100メートル、エギングなら150メートルにすることが多いのは、
長すぎるとラインが減ってきたときにスプールエッジと巻いてあるラインの間が広がりラインの抵抗になりスプールからの放出半径が大きくなって飛距離が落ちるし、短すぎるとラインが高切れすると釣りが継続できなくなる
からメインラインの長さを適量にする必要がある。

特にフロロカーボンやエステルラインのようなモノフィラメントラインは使用に伴い劣化しラインの捻れも出てきますので、短めに巻いて短期間で交換しなければなりません。

スプールに巻くラインを長くし過ぎず、使用頻度に応じて逆巻きしてローテーションさせるのがラインを長持ちさせて快適に使う最良の方法だと思っています。

適切な量のメインラインを巻くためにも最初の下巻きは重要です。

PEラインでスプールの下巻き

店舗でラインの下巻きを頼むとボビン巻きの安いナイロンラインを巻いてくれます。
一般的には1号から3号くらいのナイロンラインがスプールと滑りにくく安いことから使われることが多いですが、シャロースプールを使うライトゲームとかだと
太さで段付きが出て気になることも多い。

特にメインラインと太さが違う場合は、下巻き前と後でスプールワッシャーも調整し直さないと適切なテーパーになりません。

自分でするときでも以前は余ったフロロカーボンラインを使用していたけど、現在はなるべく安くて細いPEライン(使用済)を下巻き糸に使用するようにしています。

ナイロンラインは吸水性があり伸び縮みしフロロカーボンラインは重たいのですが、PEラインは軽くて伸び縮みせず強く巻くとラインの断面が潰れて平たくなりやすいので、空回りさえ防止できれば下巻きに向いているラインだと考えています。

もちろん、どのラインでも下巻き糸に使えるでしょうけど。

PEラインを下巻き糸に使う欠点はコストパフォーマンスが悪いことだったものの、今は150メートル1,000円を切るPEラインもあるので、使いかけのラインをケチらず流用しやすい。

下巻き用ラインの太さ

下巻きに使うラインの太さは、メインラインの喰い込みを防止しメインラインの巻きやテーパーを滑らかにする上でも細いほうが良い。
と言うものの、0.3号のエステルラインの下巻きに0.8号のフロロカーボンラインを使ってもそれほど喰い込みが気になることはありませんでした。


スプールの下巻きの方法

リールをロッドに付けバットガイド(1番下のガイド)にのみラインを通して、ラインをスプールに2回ほど巻き付けてユニノット等で結束。
その後、ラインにテンションを掛けてリールのハンドルを巻けばラインを巻き取れますが少しのコツや道具でより綺麗にできると思います。

ライン下巻きに必要な道具

ラインの巻換えはペンの様な棒があればできますが、少しの出費で手が掛からず綺麗にラインが巻けるようになります。

第一精工高速リサイクラー

1人でラインの巻換えをするときに役立つのが高速リサイクラー。
ラインのテンションコントロールがしやすく、ラインをプラスチックスプールに巻くのにも非常に便利です。
高速リサイクラー
万力の様になっている部分を机に挟むだけで設置でき、面倒なスプールにラインを戻す作業が数分で終わるので、ラインの巻き換え作業が苦になりません。
何種類もの釣りをしてリールが複数ある方は買っておいて損はない道具です。
ロッドビルディングにも実は使えます。

高速リサイクラー2.0の値段は4,000円程度なので、PEラインの逆巻きを何度かすればすぐに元は取れてしまう。

細い棒やペン等

上の様な糸巻き機具を購入しない場合は、ボールペン等を新品ラインが巻かれているプラスチックスプール中心に通してスプールにラインを巻くことになります。
以前は、両足の親指と人差し指(滑らすために靴下等必要)の間に挟んで親指でテンションコントロールをしていたものの、ラインテンションが一定になりにくい。

他の人にペンに刺したスプールを持ってもらうのが良いのですが、交換頻度が高かったりテンションの要望が強いと関係が危なくなりますよ。

スプールワッシャーでライン位置を調整

スプールにラインを巻くとき、最初は少しだけ巻いてスプールに均等にラインが巻かれているかを確認します。
ラインのテーパー調整
上の写真は調整して均等に巻かれている状態ですが、ラインが太くなればスプールの下(手前)の方にラインが偏って巻かれ、ラインが細くなればスプールの上(先端)の方に偏る。

これはラインがリールのラインローラーを経由する際にライン直径の違いから、スプールに巻かれる位置が変わってしまうから起きる現象なので、スプールワッシャーをリールのメインシャフトに入れて調整します。

スプール前の先端のラインが多いときはスプールワッシャーを足す、スプール後ろのボディ側のラインが多いときはスプールワッシャーを抜くようにします。
スプールワッシャー
スピニングリールを購入した際にダイワもシマノも箱にスプールワッシャーの小袋が入っていますので、写真の位置にスプールワッシャーを装着してライン位置を調整して巻くようにしましょう。

付属のスプールワッシャーは、ワッシャーの厚みの種類がありますので確認して入れるように。

下巻きをする場合、下巻きのラインとメインラインの太さがあまりに違うとテーパー調整のためのスプールワッシャーの入替えも二度手間になります。
テーパーが変わってしまうと、飛距離が出なかったり、余計にラインが出て絡まったりと、快適な釣りができません。

私はメインラインと下巻き糸はほぼ同じ太さのラインを使用するようにしています。

テンションを掛けて巻く

ラインをスプールに巻くときは最初の方はラインテンションを強くします。

これは、スプールとラインが滑るのを防止するためと上の方のラインが下の方のラインに喰い込むのを防止するためです。
特に、ラインの喰い込みが発生すると飛距離が出ないし下の方に巻いてあるラインが出て絡まるなどの重大なトラブルに繋がるので注意を。

また、一定の速度で巻かないと、高速リサイクラーが空回りしてたわんだラインが巻かれたり高速リサイクラー側のスプールにラインが絡まることがあります。

PEラインの下巻きは回って緩むのか

PEラインをスプールに直接巻くとラインが滑り回りやすいのでナイロンライン等を下巻きすべきと言われていますが、アジングやエギングの負荷ぐらいでは滑りません。
巻きはじめのクロスラップされる部分のテンションを手でラインを強く引っ張りながら何回かハンドルを回せば大丈夫です。

ラインがスプールの上を滑って回る方は、最初にラインを巻くときのテンションが弱すぎるのだと思います。

ショアジギングやジギングをするスピニングリールやベイトリールならば、空回り防止のためナイロンラインで下巻きをしたほうが良いと思います。

ライン量の調整

下巻きのライン量を確認するために、メインラインを巻ききってから下巻きにするラインを巻きます。
メインラインの上に下巻き糸がきて巻き直しが必要となりますが、スプールに適切な量のラインを巻くには最良の方法ですし、メインラインの太さと長さが変わらないならばラインを買い換えても下巻きを変える必要はありません。

数個のリールにこの作業をするのは面倒くさいので、数千円で買える高速リサイクラー等は買っておくのが良いです。

ラインを逆に巻き直す

下巻き糸から順に巻き取ります。
通常通りスプール上方からラインを出すとねじれが発生しますが、リールのハンドルを巻いたときと逆に捻れ元に戻るだけで問題はないはず。

私はラインを手で持って痛めたくないのと手際の良さから、ドラグを緩めて平行巻きで高速リサイクラーのスプールにラインを巻き取っています。
高速リサイクラー巻き取り
リールのスプールから全てのラインを巻き取ったら、下巻き糸メインラインの順にテンションを掛けて巻き取ったら完成。

下巻き糸の末端処理はテープ等を貼って止めると粘着質のネバネバがラインに付くので、最初にスプールに結んだときの方法で結束位置を回して結んだ時のワッカが小さくなる様にしています。
エステルラインやフロロカーボンラインで分かりやすいように号数のシールを下巻き糸の上に貼っていたときもありましたが、このネバネバが嫌で今はしていません。

巻いた後にすぐ使用すると

PEラインは巻いたあとにすぐ使用できますが、フロロカーボンラインやエステルラインは巻いた直後に使用するとスプールからラインがバラけ出て絡まりやすい。

買ったばかりのラインを無駄にしないために、フロロカーボンラインとエステルラインは巻グセが少し付くようスプールに巻いて2日か3日は馴染ませてから使用したい。


エコノマイザーやエコノマイザーテープで下巻き


下巻きラインを巻かなくても、シールやプラスチックの専用品でスプールの嵩上げをしてラインを調整することもできます。
エコノマイザーテープ
上の写真はスプールにダイワのエコノマイザーテープを貼った状態ですが、市販品のテープ等でも代用できると思います。

下巻き用のテープとして代表的なのは、水道管の継ぎ目に巻くシールテープで粘着性がないものを使わないとラインにネバネバが付くので、ビニールテープ等はオススメできない。

ただし、テープは分厚くスプール上下を均等にするのが難しく微調整が出来ないし、テープの上に下巻き用ラインを巻いて調整するくらいなら最初から細いラインを巻いた方が手際良くできるので、テープは使用しなくなってしまいました。

ラインが細くスプールが浅いライトゲームだと、テープの僅かな段差も気になりますし。

PEラインで下巻きすれば、透明なモノフィラメントラインのときにラインの残り量も把握しやすく交換時期を逸しにくい上に、好きなカラーのPEライン下巻きで、リールもカッコよくなる。

アイディア次第で、エコノマイザーテープ等は上手く使える方法が見つかるかも。

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