ロッドデザインはグリップ交換可能なリールシートで無視できる

ロッドビルディングをするようになって、いつも悩みながら工夫しているのはリールシートとグリップ構成。

新しいロッドを作るときは、リールシートとグリップの構成を考えて作成するのに8割の時間、残りの2割でガイドやティップを作っているので、グリップ周りができたらほとんどロッドは完成です。
ロッドデザイン
感度と持ちやすさを両立しつつ、新しいロッドに載せる機能を満たすためのロッドデザインを考えるのはとても難しい。
更に、耐久性も考えた構造にしないと、接着剤だけの固定だけではいずれ部品が取れることも予想されます。

DPSスケルトンで作るか、SKスケルトンで作るか、コルクグリップか、EVAか、カーボンフードか…もう考えるのやめた。



ロッドデザインとグリップ


ロッドデザインはリールシートとグリップ作成で決まる。

ブランクやガイドにこだわっていて面白いロッドもありますが、多くの人はロッドのグリップを見てカッコイイとかカッコ悪いと思うのではないでしょうか。

ロッドビルディングはメーカーが販売している部品だけを使うなら作れるものは限られるけど、発想しだいで他の部品を流用したり、組み合わせを変えることで自由にロッドを作ることができます。

ロッドビルダーはロッドデザイナーであり、作成されたビルドロッドには作り手の思想が詰まっている。
だからこそロッドデザイン、特にリールシートに私はこだわりたい。

しかし、センスがない私には格好良いデザインを作り上げる自身がありません。

ロッドビルディングのアイディア

エンドグリップ着脱式のアジングロッドを作成したときから、リールシートのスクリューパイプをリールを固定すること以外に使いたいと考えていました。

1つが弐号機reのアルミスクリューのワインディングチェック化、もう1つが今回のダブルスクリューグリップ。
コルクグリップ アジングロッド
今回はマルチピースのパックロッドビルディングで、グリップが付くブランクにガイドがないことを利用したグリップを作ってみます。
チャンスは最大限に生かす、それが私の主義だ。

ロッドの機能と性能

美しいロッドデザインのために性能と強度を低下させてしまっては意味がなく、性能を向上させるためのロッドデザインにしたい。
工業デザインは、美しさとユーザビリティの追求をし、その結果として商品価値を高めることが目的である。
作成中のパックロッドのコンセプトは自由気ままに釣りを楽しむ!
自由にロッドで遊ぶことができて、感度を優先する構造とメンテナンス機能をロッドデザインとマッチングさせてみたいと考えています。


ダブルスクリューリールシート


Gクラフトがリールシート全てをスクリューにして、前後にフードナットごとリールを動かしロッドバランスを変更できるエギングロッドを販売していました。
面白いアイディアと思うけど、スクリューパイプが丸見えになりグリップがほとんどなく握りにくそうだし、デザインも個人的には好きじゃない。

でも、違う考えでダブルスクリューを使えば、DPSスケルトンとかSKスケルトンとかグリップ素材とか考えず1本のロッドでグリップを使い分けられそう。

宵姫天風グリップと合わせると、カーボンパイプのみの無骨なデザインを変化させられる予感がします。

カーボンフレーム

いつも作っているカーボンパイプをフレームにしたスケルトンリールシート。
カーボンパイプグリップ
少し重たくなるけどジャストエースの太いカーボンパイプがアーバーとリールフードをしっかりと固定し、リールフードナットからはみ出すスクリューを見えないようにしてくれる。

ワンピースロッドでもフードナットの固定をジャストエースのカーボンパイプを使わず、細いカーボンパイプかスクリューでしてしまえば、フードナットごとグリップが後方に抜けるのでグリップ変更可能なロッドが簡単に作れるはずです。

グリップ交換システム

スクリューの長さとスペーサーカーボンパイプの長さを調整すると、最初の写真の様にリール後方のグリップとしてDPSスケルトンのKNフードにコルクストレートグリップを付けたり、SKフードをそのまま付けてカーボングリップにしたりすることができます。

一般的にSKスケルトンは真ん中のカーボンパイプが短く見えるけど、リールを止める位置とフードナットの位置関係は少しナットの距離が遠いだけでDPSスケルトンと大きく変わらない。

最初のDPSスケルトンもこのSKスケルトンもほぼ同じ位置に1000番スピニングリールが装着されます。
グリップ交換システム
もちろん、パックロッドなのでリール前方もフードナットごとグリップ交換できて、真ん中のカーボンパイプ以外は好きなようにデザイン変更可能。

自分のデザインセンスに自信がないから、グリップを簡単に交換できるようにしてデザインを放棄した、言うならば着せ替えロッド

グリップ変更による感度への影響も実験しやすいだろうから、今後のロッドの理解が進んでいきそう。

感度と強度の確保

リアに付けるストレートグリップは、KNフードだけで固定するとグラつくしスクリューの緩み防止のため内径を調整してスクリューとその直後のカーボンパイプにだけ接触するように作成しています。

コルクの品質を良くし模様を付けるため、コルクリングから削り出しているので、フードに合うよう調整しながら内径変更するのが大変でした。
コルク内径
コルクグリップ内面の一部だけをカーボンパイプに接触させるもう一つの理由が、感度の減衰防止
普通に接着してグリップを作るよりもカーボンパイプにコルクが触れる面積が小さいので、反響感度向上の効果を期待しています。

アーバーを除いたグリップ全体(DPSコルクグリップ仕様)の重さは25グラムを少し切るくらい。
前後コルクグリップだけで5グラム弱あるし、ジャストエースカーボンパイプを省いたりスクリューを詰めればまだまだ軽量化はできると思います。

IPSリールシートを使ったグリップよりも軽いので、ライトゲーム用のグリップとして使うには問題なさそう。

やっと作りかけのロッドが軌道に乗り始めました。


ビルドロッドの完成形


上のグリップ交換式ロッドが完成したのでリンクを貼っておきます。
アジングパックロッド
https://ajinglife.blogspot.com/2019/04/packrod-ajing.html
アジング一年生re
この記事からのロッドデザイン変更は最小限なものの、自己評価ですがメーカーロッドとは違うオリジナルデザインで軽く剛性感もあり良い感じだと思います。

握りやすいグリップなので他のロッドも作ろうかとは考えています。

5 件のコメント :

  1. こんにちは。コメント失礼します。
    質問なのですが、チタンのオリジナルテーパー加工はどの様に研磨されてるのでしょうか?

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    1. はじめまして!ブログを見ていただきありがとうございます(^^)

      テーパー調整のときも、上のタイトル下メニューバー内のロッドビルドカテゴリーに書いている感じで、ドリルとルーターの回転工具二刀流でルーターに金属用の砥石ビットを付けて、マイクロメーターで測定しながらゆっくりと慎重に削ってます。

      ダイヤモンドヤスリだけだとドリルでティップを回してもチタンはなかなか削れないし、私の方法も調整に手間が掛かるので他に良い方法があればと考えているのですが、安く手軽にするのは難しいですよね…

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    2. 本日ドリルに付けてポリネットシート#80で水研ぎしてみました。
      ペンチで挟んでテンション掛けて削った所調整込みで50分ぐらいでした。
      早いのか遅いのかは分かりませんが…

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  2. 着せ替えグリップ…
    発想が面白い(゚o゚;

    グリップジョイントでグリップの着せ替えは考えたこと有ったんですが、これは思いつかなかったです。

    どんな着せ替えパーツが出てくるのか楽しみです( ´艸`)

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    1. バーボさん、ありがとうございますm(_ _)m
      ロッド本体がまだまだなので、着せ替えパーツはロッドの完成後に遊びながら考えようと思ってます!

      グラつきを攻略できればデメリットは少ないはずなので、可変グリップシリーズは続けてみたいと考えています。
      次に作りたい違う分野のロッドとパーツ交換できたら最高なのですが…汎用性を高めるためのスクリューとグリップの長さの調整が難しいです_| ̄|○

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