モバイルロッド王になれそうなほど、今年に入ってからはマルチピースロッドばかり作っている。
パックロッドのエギングロッドも市販品は種類が少なく、高性能なハイエンドはありませんのでロッドビルドすることにしました。
自作したエギングロッドで、アジング、ライトショアジギングと普段する釣りのモバイルロッドが揃いました。
マグナムクラフトPV7625、パックロッドブランク
エギング用のブランクは各社種類が少なく、マグナムクラフトのブランクでエギングロッドビルドするなら、少し柔らかめのSM8325か少し硬めのRS8626を使う方が多い。
マグナムクラフトブランクの4桁の数字は、
上2桁が長さフィートインチ、下2桁がリグウェイト
となっているので、エギ3.5号が21グラム程度なのを考えるとマグナムクラフトではその2本のブランクか9フィート台のブランクしかエギングロッドのベースになりそうなものがない。
しかし、パックロッドブランクシリーズとして4本継ぎの6247と5本継ぎの7625が発売されたので、PV7625をエギングに使えないかなと思い購入してみました。
ブランクの計測
マグナムクラフトが公表しているPV7625のスペックは、全長227センチ、重量53g、仕舞寸法52センチ、トップ径1.62mm 、バット径11.9mm、30t+35t+40tのコンポジット、価格14,400円
ティップ径とバット径から見ると、大手メーカーエギングロッドのミディアムからミディアムライト(MかML)くらいの太さになってはいます。
参考までに計測した結果を貼っていきます。
最初は、各継ぎ目の直径とフェルールの太さから写真で見ていきます。
このピースは途中から(テープ巻きが見える)急テーパーで太くなりブランクも分厚くなっています。
ジョイント部の隙間
軽く差したときのジョイント部の隙間は10ミリから11ミリになっていますが、完成後に何度も抜き差しや摺合せし力一杯差したところ数ミリ縮まって現在は7ミリから9ミリくらい。フェルールワックスの有無でも差が出るので、様子を見てメス側ピースを短くする等の再調整するかも知れません。
また、既製品パックロッドブランク等は、フェルール接着側に問題があることがあるので手で揺さぶったりして問題があれば瞬間接着剤を流し入れるのが良いそうです。
ただ、接着剤を流すと中が汚くなるので、細いチューブ等で直接フェルール裏に瞬間接着剤を入れて揺さぶり浸透させるのがオススメ。
グリップジョイント
PV7625は5♯だけ短く40.5センチメートルで、ハンドルパイプとなっています。太さは外径約12ミリ内径約10ミリのノーテーパードで、先端らしき方だけに丸みがありますが、4♯はどちらからでも差すことができます。
切り分けてパイプを足せば、グリップだけ複数作成することもできますね。
エギングロッドビルディング
エギングロッドは何本も作る予定がないので、ロッドビルディングでやってみたかったけど重量増になるからアジングロッドでやらなかったことをしつつ丁寧に作ってみました。
ロッドコンセプト
エギング用のパックロッドは軽さや絶対的な性能にこだわらず、使いやすさとデザイン重視で作りました。市販エギングパックロッドのように極端に重たくなければ使えるロッドになると見込んでいます。
丁寧にロッドビルディングすればメーカー製ミドルクラスエギングロッドに感度が劣ることはないでしょうし、アジングロッドのような絶対的な感度を追求するつもりはありません。
コルクグリップエギングロッド
ほとんどの市販エギングロッドは、VSSリールシートかTVSリールシート、または同形状のオリジナルリールシートにEVAグリップが付けられています。ロッドビルディングするなら、自分好みのカッコいいロッドデザインでメーカーと違うものを作ろうとパシフィックベイの木製リールシートを使ってみました。
ウッドリールシートは恐ろしい値段のものもあり、私なんかでは深く立ち入ることができません。
グリップは5Aコルクリング(実質4A位に感じる)、傷つきやすい部分はラバーコルクを木工ボンドで接着して作成し、最低限のワインディングチェックと合わせています。
そのままのデザインでジョイント部分をグリップ内に入れると、リールフットからエンドグリップまでが長くなり肘よりも出るのでシャクリにくく、ハンドルパイプを切らないといけません。
結果的に有効長も短くなってしまうのを避けました。
ハンドル前部のワインディングチェック、ジャストエースのWCA内径12ミリはカーボンパイプの口割れ防止も兼ねています。
グリップ後部とバットグリップのワインディングチェックは内径13ミリを使用しました。
口割れ防止のリングは、ハンドルパイプ先端より少し引っ込めないと4♯を抜くときに当ててフェルールを削る恐れがあるので、コンマ単位でハンドルパイプ先端が出ています。
エギングロッドのガイドセッティング
チタンフレームのSiCリングガイドで、富士工業KRコンセプトに準拠して11個のガイドを設置しました。ティップ部はコンセプトと間隔を変えていますが、これはいずれ書くことを試すためで、曲がりを見て好きに組んで構わないような気がします。
激しいエギングのシャクリにカーボンロービングが耐えてくれるのか、もし壊れてもピース毎で作り直せるのもマルチピースのメリットかも。
カーボンロービング
グリップジョイントなのでグリップ直前に繋ぐブランクは、グリップ手前に補強が入り急激にカーボンパイプが太くなり荒く巻いたカーボンテープのような模様が見えるためカーボンブレードホースで隠しています。ほぼ見た目だけのダブルラッピングだけど綺麗になるようなコーティングの処理が凄い大変で、もう2度とやりたくない。
綺麗にできたと思ったけど、写真を見るとまだまだ仕上がりに立体感が足りない。
カーボンブレードホースも捻れたりせず良い感じ。
このマスキングテープは粘着力が低いビニールテープのような感じでエポキシコーティングで接着されないので、下地の保護と圧縮と両方に使えます。
最初に買ったの曲線用マスキングテープは、モノタロウで販売している太さ2ミリと3ミリで、3ミリのほうが使い勝手が良い。
モノタロウで買いにくい方は、タミヤのマスキングテープがAmazonや模型店で購入できます。
エギングロッドスペック
ロッドの重さは100グラムちょうど、ダイワエメラルダスストイストの7フィート6インチモデルも100グラム程度なので、エギングロッドとしては普通の重量で作れました。
もし、軽いパックロッドが作りたいならば軽量化ができる部分も多いので、軽さにこだわればこのブランクで90グラムは切ることができるでしょう。
細かい部分までしっかりと作り込んだのでチタンティップアジングロッドの2倍以上の時間と手間が掛かりましたが、個人的には見た目も格好良いモバイルエギングロッドになりました。
繋げて床や壁に穂先を当てるとカンカンとマグナムクラフトらしい甲高い感覚が伝わってきて、パックロッドであることを忘れてしまう。
PV7625エギング用パックロッド完成後の硬さは、いつも秋イカエギングで3号を水深10メートル超でシャクってる(エギ王Kはややキツイ)ヤマガブランクスブルーカレント77TZnanoよりややファースト寄りで少しだけ硬いので、3号エギは適正、3.5号エギはややキツイと思います。(未使用時のインプレ)
少し涼しくなってロッドビルディングしやすくなってからガイド等をつけたので製作期間が長かったけど、秋イカにどうにか間に合って良かった。
長さ 7フィート6インチ
重さ 100グラム
仕舞寸法 52センチメートル
エギ 2.5号から3.5号(予定)
ライン PE0.3号から0.8号
このエギングパックロッドもチタンティップ化しています。
これからロッドを作られる方のために、ロッドビルディング解説用のページを作成しています。
作るだけならロッドビルドは難しくないし、自分専用オリジナルロッドでの釣りは格別です。
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