チタンティップエギングロッド ティップ交換式でなんでもロッドに

チタンティップのエギングロッドというとメタルトップのダイワエメラルダスのSMTしかありません。

カーボンソリッドティップのエギングロッドは最近出てきて一気に広まったけど、チタンティップエギングロッドは市販品が少ないので感度や性能が気になります。

ロッドビルディングなら耐久性は不安だけど自由に組み合わせられるので、チタンティップエギングロッドも簡単に作れます。
チタンティップエギングロッド
せっかくエギング用のパックロッドを作成したので、穂先だけチタンティップに交換できるようにしてみました。

実は、マルチピースエギングロッドを作ったときに一緒に作っていたんですけどね。


チタンティップエギングロッド


チタンティップはカーボンソリッドティップやチューブラーティップより柔らかく重たいので、シャクリを繰り返すエギングではエギの動きにくさやダルさを感じるはずだけど、2.5号くらいの小さいエギやバーサタイルに多魚種を狙うにはチタンティップの感度と食い込みの良さが活かせそうで、以前から興味がありました。

メジャークラフトとルアマガコラボの限定エギングロッドが、マルチピースのパックロッドでティップだけカーボンソリッドとチューブラーで差し替えて使えるのを見て、このエギングロッドのチタンティップとチューブラー版を作ってみることにしました。

ベースロッド

マルチピースエギングロッドを作った理由は、持ち運びやすさやガジェット感の良さの他にチタンティップピースを別に作成したかったから。
チタンティップ交換
しかし、PⅤ7625はマグナムクラフトで購入しても余りのBブランクの在庫がないので、購入したものが折れたりしないとティップだけを別に販売してくれないようです。
ティップピースが手に入らないことは想定していたけど困りました。

ティップだけ別のブランク2本から同じものを切り出して2♯のフェルールを合わせるか、PV7625と同じマンドレルテーパーのブランク1本を探し出して切出すかの二択しかありません。

ティップピースの作成

持っているマグナムクラフトブランクのテーパーを測定しPV7625と比較すると、AJX5917のテーパーが同じだったので取りあえず切ってみたところ、運良くガタツキなく合いました。

2♯にAJX5917を繋いで曲げてみると、PV7625のティップ(おそらくほぼ30トンカーボン)よりAJX597(40トンカーボン)はかなり硬い。
チューブラーのままAJX5917をティップとして使うと、ベンディングカーブもかなりおかしくなります。
マグナムクラフトブランク
写真はPV7625とAJX5917の断面です。

チタンティップが柔らかく重いことからティップが硬いほうが良いかもしれないので、このまま作ってみようかと思います。


チタンティップとガイドの付け方


今回のチタンティップエギングパックロッドを作ることができたのは、マグナムクラフトパックロッドブランクとイシグロ新チタンティップが発売されたからです。

以前まで販売されていたチタンティップは最大直径1.5ミリまでだったのでエギングロッドには繋ぎにくいうえに、チタンティップ自体が弱く金属が曲がってしまうリスクがありました。

少しの直径の違いは断面で考えると大きな面積差になるので、新しいチタンティップはかなり強度があり硬いはず。
太い新チタンティップならティップを切ってチタンティップを接続し、他ピースと長さを合わせても段差が少なく丈夫に作れそう。

イシグロオリジナルテーパーチタンティップ

新しい太めのイシグロオリジナルテーパーチタンティップは、先径0.9ミリメートルで最大直径が2ミリメートルとなっており、以前からイシグロで販売されていたチタンティップと比べても太いことが分かります。
イシグロチタンティップ
今回は、このままテーパー調整をせずに切断したAJX5917ブランクに取付けて、先端部を1センチメートルほど切ってPV7625の1♯と同じ長さとすることにしました。

チタンティップ根本の細くなったテーパーのない部分はブランク内径より遥かに細いので切り落としています。
たぶん、接着剤を隙間を埋めるように入れて強度を出すための細い部分なのでしょうけど、個人的にロッドを作るたときに隙間に接着剤を充填する作り方が嫌いなだけです。

その他にチタンティップにした細工は、チタンティップの太さ2ミリメートル部分を少しだけ平行に削って、ブランク内に5ミリメートルほど入れ継ぎ目を強化しています。

ガイドセッティング

チタンティップロッドを作るときは、強度確保のためにチタンティップ取付部にガイドを配置する必要があります。

マルチピースエギングロッドを作成した際に富士工業のガイドセッティングから変更した理由は、1♯と2♯の継ぎ目前のガイド位置に大きな差がないようにして、かつ、1♯のガイドの並びを整然とさせるため。
エギングロッド ガイドセッティング
チューブラーティップと並べてみるとチタンティップは継ぎ目にガイドがあることと柔らかいので、どうしてもチタンティップの方がチューブラーティップより先端にガイドが集中してしまいます。

ブランクとチタンティップの継ぎ目は、下の写真の19.5付近になります。

柔らかいチタンティップは、チタン部分のガイドを減らすとアジングロッドですら糸絡みしやすくなるので、糸絡みしやすいエギングロッドということもあり、トップガイドと継ぎ目の間に2個ガイドをセッティングしました。
チタンティップのガイドセッティング
エギングロッドはガイド数が多いので、少しずつ均等にバットガイドまで繋げてラインの通りも良くするのは難しかった。

チタンティップのガイド取付け方法

チタンティップロッドを作りはじめたときから、チタンティップのガイドを柔らかい接着剤で固定した後にエポキシコーティングしていました。

この接着剤を使う方法は、ある有名ロッドビルダーの方のブログに書かれていた(普通に記事を見ても分からないけど)ので、チタンティップロッドを自作するときに真似されている方も多いでしょう。

最近、チタンティップロッドを作成販売しているイシグロのブログに、根巻糸(細いナイロンライン)を使う方法が書かれていました。
チタンティップのガイド取付け
確かに根巻糸を巻く方法は非常に考えられたやり方で、強く締め付けて巻くとコーティング前に動かそうとしても接着剤が割れないし全くガイドが動かない。

柔らかい接着剤を使う方法でも、引っ掛けたりしなければ今までガイドが回ったり取れたことがありませんでしたが、根巻糸でガイドを固定する方がより強そうにみえます。

購入する根巻糸はあまり細いと強く巻いているときにプチプチと切れやすいので、極細より太くて良いと思う。

ガイドの固定の仕方は、チタンティップにガイドをのせて根巻糸をグルグルとスレッドのように巻き、粘度が低い瞬間接着剤を糸に染み込ませる。
チタンティップにガイドを固定
瞬間接着剤が乾いたら、その上からスレッド等を巻いてエポキシコーティングするだけです。

チタンティップ側にガイド回り防止のための粗めのヤスリがけもしているので、この方法でガイド取り付けるとよほどの力が加わらない限り、ガイドが動きそうな感じはありません。

既に3本手持ちのチタンティップロッドのガイドをやり変えましたが、カーボンロービングとも相性が良い方法で、このイシグロブログのガイド取付け方法は非常に素晴らしい。


チタンティップのエギングロッドの性能比較


ブランクにチタンティップを継ぐと、内径拡大したブランクのチタンティップ末端付近と外観上のチタンティップ付け根付近が折れたりする可能性が高くなってしまうと考えています。

チタンティップ継ぎ目のカーボンロービングだけガイドの少し先側まで巻いて補強したためか、今のところは折れたりヒビは入っていません。

チタンティップエギングロッドのレビュー

チタンティップとチューブラーティップを交換できるパックロッドエギングロッドなので、秋から比較しながらエギングをしていました。

前提としてPV7625のチューブラーティップ仕様は、そんなに水深がないところなら3.5号エギも使えるほど強く、メーカーエギングロッドに例えるとMLとMの間くらいの硬さになるのだと思います。

このロッドを作成してすぐにチタンティップを付けて3号エギで数時間エギングをしたところ、一緒に行った友人より明らかに釣れませんでした。

ティップが重くてシャクリにくいものの水面に浮いているゴミがラインに当たるのが分かるほど感度が良いのに、友人が7杯釣っているときに自分は2杯ほどしか釣れてなく、他と比較して大差で釣れない。

チューブラーティップに変えると、エギの沈む感覚が分かりやすく友人と同じように釣れるようになりました。
ティップ交換
せっかくキレイに作ったのに、釣果に大差が出るほどチタンティップがエギングに使いにくいとは思いもしませんでした。

チタンティップエギングロッドが釣れなかった理由を考察してみます。

チタンティップエギングロッドの感度が悪い理由

手元に反響して伝える感覚ではなく、弛んだラインの重さやイカが触ったのが分かるような感覚がチューブラーティップにはあります。
チタンティップは重たくて張りがないので、ラインの重さは分かりにくいのかも。

風が強くてラインを見てアタリが取れない状況だったので、チタンティップとチューブラーで手元に伝える情報が違うことが原因だと考えています。
チタンティップだと、イカパンチも間延びした感じなので、イカのアタリの振動も吸収してしまっているのかな。

少しの釣果差ではなかったので、チタンティップロッドとチューブラーロッドの性能差でエギングはチューブラーのほうが良いと素直に受け止める必要があるでしょう。

チタンティップだったら何でも感度が良いのではなく、アジングに適した振動を伝える性能がチタンティップにはあるんだなと勉強になりました。

もちろん、チタンティップの太さやブランクといった構造的なものや釣り方によって感じ方は変わってくるでしょうけど、私にほチタンティップエギングロッドは合わないので、チタンティップはエギング以外の別の釣りに使うようにするつもりです。

3 件のコメント :

  1. お久しぶりです!

    私もエギングはしますが、師匠がダイワのチタンティップを購入して使わせて貰いましたが、ちょーさんと同じ感覚になりました〜(笑)

    今、エギングロッドはマグナムのR8626で組んでますが、九州のエギングでは使いやすく満足しています(*≧ω≦*)

    多分、メバルロッドなんかにシフトしたら面白いかもしれませんね〜

    あっ…チタンのアジングロッドでメバル打って見た事ありますが、早合わせになって慣れるまでバラシ増えますwww

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    1. あっ…名前付け忘れ(笑)

      ぼまぁ〜です(・ω・)ゞ

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    2. ちょーさん2019年12月26日 8:00

      ぼまぁ〜さん、お久しぶりです。

      ダイワストイストのSMT持っている方がすぐに買い替えていたので、嫌な予感はしていたのですが(_ _;)
      コメントを頂き、予感が確信に変わりました…ありがとうございます。

      次のエギングロッドは、R8326,R8626等で迷って違うブランクを購入しました。
      やっぱり、8626が正解なのかも。

      ぼまぁ〜さんのブログも、最近スケルトン等のロッドビルド記事が多いので楽しませてもらっています。

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