シマノフリーゲームXT S100MH ショアジギングロッド

フリーゲームXTというパックロッドがシマノから新発売されました。

パックロッドは各社から続々と新しく発売されてきている今一番ホットなロッドジャンルですが、フリーゲームXTのようにライトゲームからライトショアジギングまでカバーするラインナップは珍しい。

ロッドビルディングを初めてから市販ロッドが欲しいと思わなくなっていたのに、これは発売前から触ってみたいと楽しみにしていたロッド。
早速、ライトショアジギング用にフリーゲームXTS100MHを買ってきました。
フリーゲームXT
ネットで検索しても購入したインプレ等はなく、ブログ等もメーカーのホームページの引用しかないので、フリーゲームXTの購入を考えている方のためにインプレッションや評価をしてみたい。

ホームページ等では記載されていないことも書いていきます。

シマノフリーゲームXTシリーズ


フリーゲームXTは全ラインナップ仕舞寸法60センチメートル未満のルアーフィシング用のパックロッド

ブランクにクロスラッピングを施すハイパワーXとシマノオリジナルのCI4リールシートが付いていて、見た目はミドルクラスロッドと同じ。

税抜き価格は20.000円から27,000円で、値段から考えるとシマノのルアーロッドではエントリー向けのBBシリーズとSSシリーズの間くらいになります。

ラインナップ

発売されているフリーゲームXTは、主にエギングやシーバス、ショアジギング用で短い方から、S86MLS86MS96MLS96MS100MHS106Mがあります。

発売予定とされているのはS49ULS64ULSS610LSS70MLS76ULSS76ULTS76Mの7種類。

予定分はトラウトからアジングやメバリング、バス等向けのライトルアーフィッシング用のようですね。
細かいスペックはシマノホームページを見たほうが良いと思いますか、スペックを見るとどのロッドもパックロッドにしては軽い。

フリーゲームXT S100MHのスペックと実売価格

フリーゲームXTS100MHは、全長3.05メートル、仕舞寸法57.1センチメートル(6ピース)、自重195グラム、キャストウェイト10グラムから56グラム、ラインはPE0.6号から2号となっていて、ライトショアジギング用のロッドスペック。

キャストウェイト上限が56グラムというのは、フリーゲームXTで一番硬く、今まで市販されているパックロッドの中でも強い。
持っている4号エギ対応のエギングロッドより曲げた感じもかなり硬く40グラムのメタルジグも楽に投げられそう。

S100MHは税込み29,160円で定価は高めだけど、ネットショップでの価格は約17,000円にポイントバック4,000円分で実質13,000円とエントリーロッドクラスの値段で購入。

しかし、触った感じも実売価格相応のエントリークラスでしたが、私は60センチメートル未満のショアジギングロッド(ブランク自体が手に入らない)いうことで改造も視野に入れているので満足しています。

ダイワのロッド月下美人が値段より良い物か比較してみた
https://ajinglife.blogspot.com/2017/12/blog-post_22.html
アジング一年生re
ダイワやシマノのルアーロッドは、定価は高いけど性能は実売価格の方が他社に近いと思っていますので、これから書く評価は定価ベースで考えると辛口レビューになってしまいます。


フリーゲームXTS100MHの計測結果


ロッド重量は195グラムのカタログ記載で、長いパックロッドとしてはかなり軽いです。
ホームページのカタログには大まかな仕様しか書いていないので、気になる部分をデジタルノギス等で測定してみました。

グリップの太さ

リールはアップロックで固定するようになっており、フロントグリップの細い部分で22ミリメートル弱くらいの太さになっています。
フリーゲームグリップ
ショアジギングロッドの場合、フロントグリップはワンピッチジャークをするときや青物を掛けたときに握るので重要です。

何度か握ってみた感じでは、これくらいフロントグリップの長さと太さがあればしっかりと握り込めます。
フリーゲームXTグリップ
アップロック側のリール後部のグリップのEVAは最大径28ミリメートルでかなり太く、リールシートとEVAの段差がデザイン的に気になります。

リールを付けて振ってみた感じは悪くないので実用面では悪くなさそう。
アップロックはリールが緩みやすいと言われていますが、フリーゲームXTで緩みが気になったことはありません。

バットグリップの長さ

リールフットの中心からロッドエンドまでの長さは約39センチメートルになっている。
セパレートハンドルだけど、ワインディングチェックが少ないので見た目はさっぱりとしています。
エンドグリップ長さ
エギングロッドよりは長いものの、ショアジギングには脇に挟みやすいようにもう少し長くても良かったように感じます。
参考までにハンドルパイプ外径は16.8ミリメートルでした。
(追記)
実際にメタルジグを投げてジャークしてみたけど、バットグリップは自然と脇に挟むことができたので問題はないです。
極端に背が高く手が長い方は、店舗で試用したほうが良いとは思います。

各ピースの長さ

シマノのホームページでは破損防止のためティップピースを短くしている記載がありますが、実は他のピースも長さが異なります。
フリーゲームXT長さ
下から順に1♯から6♯まで並べてみると、2♯と3♯も少しだけ短めに作られている。

並継ぎの差し込み部分が、先のほうは短くエンドに向けて長くなっているのは細いものほど継ぎ代が短くて良いので理想的に見えます。

並継ぎのパックロッド

ルアーロッドは逆並継ぎが多かったのですが、最近になり先の方の継ぎを手元側の中に入れる並継ぎロッドが増えてきているように感じます。
並継ぎは、ロッドの太さが急に変わるのが気になるのでフリーゲームXTの継部も測定してみました。
並継ぎロッド
1♯(ティップ)の継部の太さは4.2ミリメートル。

写真のとおり、途中からカーボンを厚巻きにして補強しているので補強している部分の終わりを測定しています。
並継ぎサイズ
2♯のティップ側との継部は5.6ミリメートル。
補強部を避けて測定しても1.6ミリメートル程度の太さの差がありました。

写真で見ても、継ぎ部ごとに段差があり急に細くなっているのが分かります。
フリーゲーム 継ぎ目
逆並継や印籠継と違い、他のピースも塗装されていないフェルール部分が全て相手方の中に入り込むようになっているのも特徴的。


フリーゲームXTインプレ


継ぎ部の太さは段付きがあるものの繋いで負荷をかけるとキレイに曲がりこみます。
ベンディングカーブだけ見るとパックロッドであることを忘れてしまいます。

壁等にティップを当てた際の感度は値段なりで鈍い。
ショアジギングならアジングロッドのような感度は必要ないので、気にすることもないですけど。

ブランクの見た目はクロスラッピングがティップの先までされているのでかっこよいと思う方も多いのかな。

実釣インプレ

ストラディック4000MHGにPE1号を巻いたリールを付け、メタルジグを投げてきました。

ロッドの慣らしを兼ねてメタルジグ30グラムを投げたところ、少し軽すぎてロッドが充分にしならない感じはありましたが、4号エギ対応のエギングロッドと比べると目に見えて飛距離が伸びていました。

エギングタックルでメタルジグ30グラムのライトショアジギングをする際は、ラインが細いのでそれなりに飛距離が出ますが、フルキャストできないので差が出てしまいます。

キャストウェイト56グラムまでのロッドなので、次にメタルジグ40グラムを投げてみたところ、ロッドの反発力が出てきて気持ちよくジグが飛んでいく。
ペンデュラムキャストの垂らしが長いと、もう少し重くても良いかなと感じるくらい。

メタルジグ50グラムでも使用感は悪くなく、一般的なライトショアジギングで使うルアーはキャストもアクションも問題ありません。

ワンピッチジャークやジャカジャカ巻きをしてみても使いやすく、ロッドが負けている感じはないです。

購入時、一番長いフリーゲームXT106Mと悩みましたが、ライトショアジギングで40グラムや50グラムのメタルジグを投げるなら硬い100MHで正解だったようです。

ライトショアジギングに感度はあまり必要ないけど、ラインの緩みだけではなく投げた先で着底を手元で感じることはできました。
フリゲーム 実釣インプレ
ライトショアジギングで50センチメートル位のヤズを釣りました。
寄せるのはエギングロッドと違い瞬殺ですし、このサイズならタモを使わず抜き上げられます。

抜き上げができると時合に投げられる回数が増えるので、釣果に大きく影響するのがよく分かりました。

今のところ、デザインや仕上げの見た目以外には不満はありません。

ロッドのカチカチ音、異音、継ぎ目の緩み

マルチピースロッドで必ず確認したいのがフェルールの緩みや異音。

ロッドを繋ぐときに高弾性カーボンのようにカチッとした感覚(ハイエンドロッドとの比較)はないものの、購入したものは静かな室内で振ってみても異音は感じませんでした。

パックロッドは継ぎ目が多く異音は出やすいので、メーカーで調整と検品をしっかりとしている感じで好印象。

グリップもブランクも高感度な仕様ではないのでロッドの異音は感じにくいとは思いますが、店舗での購入時は繋いでチェックが必要だと思います。

フェルールワックスを塗って約2時間実釣してみましたが、継ぎ目が緩んだり回ってガイドがズレることもありませんでした。

フェルールワックスを塗ると気密性が高くなりすぎて、ロッドをバラすときにポンと良い音がします。
ショアジギングをするに当たって、パックロッドのデメリットは全く感じません。

付属パックロッドケース

フリーゲームXTはそれぞれ専用の円筒状のハードケースが付属しています。

ショルダーベルトやカラビナを取り付けるDリングはなく持ち手だけのシンプルな構成なので、運搬時はリュックの横にベルトで付けたりするのが良さそう。(目立つ字が書いてある部分は外れます。)

S100MHのケースの長さは64センチメートルなので航空機内に持ち込むときはケースに入れることはできない可能性があります。
フリーゲームケース
ケースは太く感じるもののロッドのガイドの高さがあるので、他のロッドを一緒にケース内に入れることは難しい。

ケース上下にはスポンジの厚めのクッション材が付いているし、ロッドベルトも2本付属しています。
クッションがしっかりしていてケースもかなり硬いので、ケースを使うときは預けて郵送することを想定しているのかな。

私は大きめのリュックサックに入れて、少しケースが飛び出した状態で持ち運んでいます。

フリーゲームXTのガイドはSiC、アルコナイト

ガイドはステンレスフレームでガイドカラーはシャイニーグレー、ガイドの内径外径を測定したところSiC-Sやトルザイトの様な薄型ガイドリングではないようです。

持っている同外径のトルザイトガイドリングやSiC-Sガイドリングと比較しても、ガイドリングが分厚くリング内径が小さい。
フリーゲーム SiC
測定結果から旧型のSiC-Jガイドリングかとも思いましたが、SiCリングのトップガイドと中間ガイドのリングの色というか輝きが違いますので、トップガイド以外はアルコナイトガイドリングではないかと思います。

富士工業のカタログにはKTガイドのハードリングやSiC-Jガイドリングはないので輸出用のアルコナイトリングに間違いないはずですが、シマノホームページにはKガイドとしか書いていないので写真で判断お願いします。

ガイド総数は8個で10フィートの長さに対して少ないけど、他のシマノのショアジギングロッドと数は変わらない。
フリーゲームガイドセッティング

アルコナイトリングとは

富士工業製ガイドのファインセラミックリングはカタログではトルザイトリング、SiCリング、Oリングの3種類。
最近、安価なエントリー向けのロッドに付けられるようになってきたのがアメリカ等で使われていたアルコナイトガイドリング

アルコナイトリングは硬度はトルザイトリングに近いものの安価で放熱性が低いのが特徴で、ゾディアス等のエントリー向けロッド等に使われていることが多いガイドリング素材。

ネットでロッド本体が安く購入でき、ロッドビルディングをする方ならガイドに不満があればリングを付け替えれば良いので不満はないでしょう。
PEラインで使用してもアルコナイトリングは大丈夫らしいけど、本格的に使おうとするには値段相応で少し物足りない感じがします。



パックロッドシマノフリーゲームXTの評価


個人的なフリーゲームXTの評価としては、ショアジギング用パックロッドみたいに他にないものなら買って後悔しないと思います。
ロッドの曲がり方のベンディングカーブを他の魚種専用ロッドに似せて作っているので、感度を必要としない釣りならば使用感も悪くない。

ただ、私ならこれから発売予定のライトゲーム用のフリーゲームXTを買うことはありません。
感度を重視しこだわるような繊細な釣りには、ガイドリング等をコストダウンするロッドは個人的に向いていないと思います。

フリーゲームXTのメリット

・仕舞寸法60センチメートルのパックロッドではなかったショアジギング用等のラインナップ。
・CI4リールシート、ハイパワーXの採用。
・使い捨てしやすい安い価格。(パックロッドは雑に扱われやすいので)
・ロッド修理の際の免責金額が部品交換2,500円(税別)と安い。

フリーゲームXTのデメリット

・並継ぎは、やはり継ぎ目の太さ違いが気になる。
・値段帯から見るとチタンフレームトルザイトリングガイドとは言わないでもステンレスフレームSiC-Sリングガイドが値段相応では。
・継ぎ目のカーボン厚巻き部分が剥き出しになっていたり、見た目で細かい部分の手抜きが目立つ。

同価格帯ロッドとの比較

パックロッドではないものの同価格帯のダイワエメラルダスMXはチタンフレームSiCガイドですし、シーバス、エギングやアジング等のパックロッドで仕舞寸法にこだわらなければ他社製品で安いものがある(メジャークラフトクロステージパックロッド等)ので、他のロッドも検討したほうが良さそうですね。

以上、厳しい評価となりましたが60センチメートル未満の仕舞寸法で揃えてきたシマノのパックロッドに対する意気込みは感じますし、軽くてそれなりにデザインも良いので、ショアジギングの時期になり本格的に使い始めたら印象が変わるかもしれません。

3 件のコメント :

  1. 全く同じセット(ストラディック4000MHG&フリーゲームXTS100MH)を持ってますw

    感想ですが同じように継ぎ目のむき出しはさみしかったですね〜
    あと継ぎ目合わせの目印がないのが残念でした。
    やっぱり暗いうちにセットする時、目印があるかないか大きいと思います。

    返信削除
    返信
    1. ちょーさん2020年8月5日 22:25

      コメントありがとうございます。
      少し変わった物と思うので、同じセットを持っている方がいると嬉しいです(^^)

      確かに言われる通り、このロッドは継ぎが多いので継ぎ目の補強部に目印があったら嬉しいですよね!!

      ライトショアジギングができるパックロッドはなかなか無いので、フリーゲームXTは値上げしてでも改善して欲しいです。

      色々と文句も書いていますが、コンパクトなのに大きな獲物が捕れるこのロッド、個人的にかなり気に入っています。

      削除
  2. 13000円で販売するところもありますか? 通常20000円前後ではないですか?翻訳機を使用しているので変かもしれません。すみません。

    返信削除

ちょーさんにコメントをよろしく!