スピニングリールの基本的な日常メンテナンスの方法 水洗いとグリスアップ

ダイワはマグシールド、シマノはコアプロテクトXプロテクトといったスピニングリールの防水防塵対策をメーカーは搭載してきています。
月に数度の釣行には適しているのだと思いますが、週に3日4日釣りに行くような方だと、手入れをしていてもこれらの防水構造等の有無に関わらずリールの回転部、特にベアリングは交換を余儀なくされることも多いように思えます。
リブレハンドル分解
ルアーフィッシングではリールを巻く機会も多いので、メンテナンスを定期的に行っていつも気持ち良い状態にリールを保ちたいものです。




メンテナンスの道具


スピニングリールは定期的なメンテナンスが必要です。
最近はリールにオイルは付属していませんので、購入時に釣具屋にある純正オイルを購入しましょう。

予算的に余裕があれば高級なアフターメーカー製オイルを買っても良いのでしょうけど、純正のシマノメンテナンスオイルはステラにも使われているそうで私は鈍感なのかどちらのオイルを使っても差は分かりません。
リールメンテナンスの道具
ダイワや他の釣具メーカーもメンテナンス用のオイルを販売していますのでお好きなものを購入すれば良いです。

ホームセンター等で販売しているクレ556等のスプレーオイルは、プラスティックを侵す可能性があるので使わないこと。

オイルとグリスの違い

スピニングリールの通常の簡単なメンテナンスには、グリスは使わずオイルだけしか使用しません
オイルとグリスをセットにして販売してある商品がありますが、リールを分解してのオーバーホールをしないならばオイル単品を購入しましょう。

グリスは粘度が高く油が切れにくい特性があるので、リールケース内のギヤに適しています。
ベアリングは回転の良さを活かすため、オイルをこまめに注油するのが良いです。

ボールベアリング

ラインローラーとハンドルノブのベアリングは、同じリールを複数年使用するならば必ず交換が必要となるでしょう。
ダイワやシマノの小型スピニングリールのハンドルノブやシマノのラインローラーは、DDL-740ZZという型番のベアリングで代用できます。
ダイワラインローラーは、DDL-740で厚さが薄いオープンベアリングです。
(マグシールドラインローラー等の撥水ラインローラーを除く)
耐久性がある純正品を使うのが良いのですが、値段が高くソルトウォーターフィッシングでは消耗品になるので安い汎用品を使ってます。

その他に必要な道具

ドライバー
ティッシュペーパーや綿棒
ハンドルノブキャップを外す工具
(上写真中央、クリップ等でも代用可能)


スピニングリールの定期的に行うメンテナンス


釣りから帰ったら魚の処理をして、そのまま疲れて寝ていませんか?
ソルトウォーターフィッシングは海水にタックルが晒されるので、使用後はすぐ手入れをしないと塩が付いたままになり金属部分が腐食してしまいます。

ロッドはブランク内に水が入らないようにサッと洗えば乾燥させるだけですが、リールは精密にできているので手入れをしっかりしましょう。
ロッドのブランク内に水が入るとカチカチと音がするようになります。

ロッドの中に水が入ったときは逆さにして水を出し、衣類乾燥機等をかけた部屋の中で干しておけば水は抜けます。

釣行後のリールの水洗い

帰宅後、リールはロッドから外してドラグを軽く締めた後に水道水で水洗いします。
以前、私はロッドにリールを付けたまま水洗いをしていたのですが、リールシートとリールフットの間に塩がびっしりとこびりついていました。

水道水は蛇口からでもシャワーでもゆるい水圧で、上向きにしたリールのドラグ側からかけます。
洗うときや水を切るときに丁寧に洗おうとハンドルを回転させると水が内部に吸い込まれていきますので、可動部は動かさない回転させないようにしましょう。
(シマノはハンドルを回転させるのが推奨のようですがスプールの穴が大きくなっているのはローターナット部分から水が入りそうで少し怖い)
乾燥後はリールをコーティングすると塗装を保護できます。

ロッドコーティングやリールコーティングで傷や腐食を防止する方法
https://ajinglife.blogspot.com/2018/09/reelcoating.html
アジング一年生re


乾燥後のオイル注し

陰干しで乾燥させたら、ドラグを緩めて保管します。
毎回する必要はないですが、何釣行おきに可動部にオイルを注したりガタつきの確認をしてシム増しを行います。

ラインローラーとハンドルノブは特にベアリングの油切れを起こしやすいので、高頻度でオイルを塗ったほうが良さそうです。

マグシールドやコアプロテクト等は入っている場所を確認してオイルを入れないようにして下さい。
マグシールドやXプロテクトが入っている部分については、水洗いのみでも1年以上は不満なく使えていますので、悪くなったときに考えればよいのではないでしょうか。

ラインローラーも、ダイワのマグシールドやシマノのXプロテクトのものはしっかり水洗いをしているので回転が悪くなったことはなく、ノーメンテナンスで何年間も使えています。

特にボディ内への過度のオイル注油は不具合をもたらすことのほうが多いように感じます。

シマノスピニングリールのメンテナンス

ステラやヴァンキッシュ等の高級なシマノのスピニングリールには、Xプロテクトコアプロテクトといった防水撥水がラインローラーやローラークラッチ部分に搭載されています。

説明書を見て防水撥水機能がある部分には通常のオイルを注さないように!
コアプロテクトラインローラーにオイルを塗って調子が良くなったという方もいるようですが、私なら回転が悪くなってから旧型12ヴァンキッシュのラインローラーを移植しダブルベアリング化します。

Xプロテクトのメンテナンスには専用のDG18という専用の撥水グリスが発売されています。

ダイワスピニングリールのメンテナンス

ダイワのスピニングリールについて、メインシャフト付け根は入門機から、ラインローラーやハンドル付け根は高級機からマグシールドが搭載されています。
マグシールド部分は注油禁止になっていて、オイルが入ってしまうと逆転やシャリシャリ感の原因となる場合があるようです。

磁性オイルのマグオイルに通常のオイルを注せば、マグオイルが流れ出てボールベアリング等に入ってしまい悪影響を与える可能性もあり、自分でメンテナンスする必要を感じません。

マグシールドはメーカーが販売していないので、マグシールド部分をメンテナンスしたいなら、メーカーオーバーホールがおすすめです。

メインシャフト、ベール下がり対策

メインシャフト付け根にはベアリングかメタルが入っていて、シャフトは回転しながら上下します。
負荷をかけながら巻き取るときに抵抗感を生むところですので、十分にオイルを塗ってからローターを回転させて馴染ませましょう。
シャフト ベールのメンテナンス ダイワシマノ1000番
また、ローターとベールの可動部もグリスかオイルを注油しておくと動きが滑らかになりダイワ病のベール下がりがしにくいかも。
注油のお陰か私が持っているダイワリールでベール下がりしているものはありません。

ラインローラー

海水が付いたラインを巻き取るラインローラーは、特にベアリングが痛みやすい場所で、オイルが切れてくると釣れる度に、キュルキュルやキーッと甲高い音がしてすぐに気付く場所でもあります。

マグシールドラインローラーやXプロテクトラインローラー等は修理に出すか交換する他はありませんが、普通のベアリングを使ったラインローラーは隙間の上下にオイルを注油してからティッシュペーパー等で回しながら吹くことで回転を維持できます。
ラインローラーのメンテナンス
ラインローラーを回してコツコツ抵抗を感じるときはボールベアリングを交換したほうが早いと思います。

ハンドルノブ

ハンドルノブは手で直接持つ場所だけに、少しでも回りが悪くなったら大きな性能低下を感じる部分です。
巻いていて一定周期でコツコツとなりギヤが悪くなったかなと思っても、実はハンドルノブベアリングが悪くなっていることも多いです。

ハンドルノブキャップを針金で外し中のネジをドライバーを使ってハンドルノブごと分解するのが一番良いのですが、ハンドルノブのネジはネジ留め剤が塗ってあるのでネジ頭を舐めないように。

ドライブベアリング

個人的にオイルが切れたりして不具合があったことはありませんが、ベアリングが見える位置にあるので一応たまに注油しています。
ハンドル付け根 オイル
最近のリールはハンドルとボディの間にパッキンが入っていたりして、水が入りにくいのも痛みにくい理由かも知れません。

メンテナンスホール

一昔前のシマノのリールにはラインローラーとボディに注油口がありました。
ラインローラーのメンテナンスホールは中にオイルを充填しやすくて便利だったのに、何故なくしてしまったのか。

ボディ内はグリスが溶け出してしまうので、あまりオイルを吹かないほうが良いように思えます。


不具合を感じたときの対処方法


今のリールは品質が良く最初から全く使えないような不具合があることは少ないですが、購入直後だったり普段からメンテナンスをしていても異音等で納得がいかないこともあると思います。

シマノのリールなら部品の取り寄せができるので原因を突き詰めて最高の状態に持っていけることも多いですが、ダイワのリールは部品供給が不安な点があり自分では改善できないことがあるかも知れません。
ダイワのリールはギヤ等の部品を通常は個別に販売していないので、長く使うならばメーカーオーバーホールを利用するしかないのが実情です。

特に部品点数が多く分解調整しにくい高級リールは、メーカー等にオーバーホールを頼むのも間違いがない方法でしょう。

メーカーオーバーホール

ダイワやシマノは、初期不良ならクレームで無料の点検修理を、経年劣化でも有料のオーバーホールサービスをしています。
どちらもリールを取り扱っている釣具屋店舗で受付していて、メーカーの営業の方が回収しオーバーホールの作業となります。

オーバーホールの値段

両メーカーとも、オーバーホールの基本料金は3,000円位からですが部品交換や不具合があれば更に料金が高くなり、既に調子が悪いリールをオーバーホールに出したときは10,000円を超えることもあるようですので、年一回程度のオーバーホールキャンペーンを活用したい。

クレーム修理

私はクレーム修理しか出したことはありませんが、無料でメインギヤ等を交換されて帰ってきました。
クレームになるかオーバーホールになるかは、メーカーの判断になるようです。

戻ってくるまで1ヶ月は掛かり待っている間は連絡もなく、本当に良い状態になるのか?修理費がどれくらいかかるのか?と心配になりました。

ショップオーバーホール

iosM.T.C.Wといった全国的なリールチューニングショップの他に各地方にもリールメンテナンスをしている方がいます。
個人でリールメンテナンスやチューニングをされている方もいるようですが、大事なリールを送ることになるので信頼できる方や店を選びましょう。

リールオーバーホールは誰にでもできる作業ながら、丁寧さや経験で滑らかさに差が出ると思います。

自分でするならボールベアリングの確認を

リールを回すとコトコトする、ラインを巻くとキーッと甲高い音がするときはギヤよりまずボールベアリングを疑ってみましょう。
ハンドルノブ内とラインローラーのベアリングは水が入り消耗するので、違和感を感じたらベアリングチェックをします。
不良ベアリングの確認 ベアリングチェッカー
ベアリングを外した後、硬い工具等に差し込んで回すとコトコトとしたら交換です。
オイルやグリスを調子が悪いベアリングに注入してもまず直ることはありません。
ベアリングチェッカーという専用の工具も売られてます。

ダイワやシマノのスピニングリール(1000番、2000番、2500番、3000番等)のハンドルノブやラインローラーに使われているDDL-740ZZやDDL-740は、ラジコン屋やインターネットで購入すると単価200円前後と値段が安いので、大量に購入しておき使う前に回転を確認し選別しましょう。
ベアリングは新品でも回転の良さに差があるので、使う前に必ず確認しないと悪いものを組んで二度手間になりやすいです。


洗わないとリールは壊れるのか


釣行回数が非常に多い知人は、釣行後にリールやロッドを水洗いやメンテナンスをしないで車に積みっぱなしにしています。
ダイワルビアスやシマノツインパワー以上の価格帯のスピニングリールを使っているのですが、意外にも洗わなくてもリールは壊れたりはしていないようです。
しかし、ルアーロッドを夏場に車に積んだままにしているとガイドを留めているエポキシ樹脂が高温に弱く柔らかくなるし、大事な釣具の盗難被害を防ぐうえでも、タックルの積みっぱなしはオススメできません。

知人の様に洗ったりオイルを塗るとグリスが流れてリールの調子を悪くするという人達は他にもいて、オーバーホールが得意でたまにボディを開けてグリスアップするのを苦にしないなら、リールは壊れてから部品を取り寄せて組み直した方が良いという考え方もあるのかも知れませんね。

私も、実験的に18ステラを100回ほど水洗いのみのノーメンテナンスで使用中ですが、異音や回転悪化はないので今の高級スピニングリールはメンテナンスをしないで済むのかもしれません。

個人的には、趣味の釣り道具はメンテナンスすることも楽しみながら付き合っていきたいと思っています。
少しでも快適にスピニングリール等を使うためのスプールのライン調整方法をご紹介させていただきます。

スプールの下巻きを綺麗にする方法

スピニングリールのスプールに下巻きをしてラインの巻き換えを
https://ajinglife.blogspot.com/2018/11/line-spool.html
アジング一年生re

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